花火大会かぁ・・・
懐かしいな、よく小さい頃はアスランの家の家族と一緒に花火を見に行ったけ。
魅惑の着付け
あの時のアスランの表情ときたら花火に照らされてとっても綺麗だったな
夜の暗さとアスランの緑色の瞳が綺麗で…って違う!
そんなことを考えている場合じゃない。
あぁ、もう何僕は現実逃避なんかしてるんだ、確かに目をそらしたい惨状が自分の前にあるんだけどさ。
そもそも、何故こんな事になったのか・・・
全ては一本の電話から始まった
あの日は普通にアスランと二人で夕食後のティータイムを楽しんでいた。
「それにしても、もう夏だね。地球は今 猛暑だってニュースで言ってたよ。」
「あぁ此処、プラントも季節を感じれるようにある程度温度を上げてはいるが生活に支障をきたすほど上げないから…
それに比べて地球は自然現象だからな。この時期だと35℃位はあるんじゃないか?」
うわぁ、それは暑いねぇ・・・って言いつつも
アスランは僕が作ったアイスを食べながら僕を抱き込んでいた。
暑くないのかな?確かに薄着はしてるけど。
こんな甘えん坊がプラント最高評議会議長なんだから世の中は平和になったもんだよ。
「カガリあたりは、暑い〜ってイライラしてるんじゃない?」
「あいつの事だからそれは大いに有りえるな。
まぁ、あのカガリがそれを黙って我慢してるとは思えんが・・・」
「クールビズでも始めてたりして(笑)」
僕達は二人してあの金髪の獅子が暑さに暴れているのを想像して笑った。
トゥルルルルル・・・・
トゥルルルルル・・・・
「あれ、電話だ。誰だろこんな時間に・・・
もしもし?」
『キラか?私だカガリだ。』
「え?どうしたのこんな時間に…」
ソファの上でアイスを食べ終わったアスランが目で『誰?』と聞いてくる。
僕は口ぱくで『カガリ』と答えた。
『キラ、アスランもそこに居るのか?居るんだったらテレビ電話に変えてくれないか。
衛星回線だから始めは電話の方がいいでしょうってキサカが言うもんだから・・・』
「うん、わかった。アスラン、電話をテレビ電話に衛星の方の回線で変えてくれる?」
そう言って僕は電話を保留にした。
向こうでアスランがPCを使ってテレビ電話の回線に変えていた。
「よし、良いぞキラ。」
「ありがとうアスラン」
そう言ってテレビ画面の方を見るとカガリが映し出された。
『あ、繋がったみたいだ。キラ、アスラン二人とも久しぶりだな』
「そううだね、こないだ母さん達に会いにオーブに行って依頼だね。」
「2週間ぶりかな?俺もその時一緒に行ったし、…っと言っても半分は仕事だけど」
『だな、…あぁ分かってるよ!ちょっと位良いだろお前堅物過ぎてはげるぞ!!あ、ごめん二人とも
ちょっと横でキサカがうるさくて…、だから分かったって!!」
自分たちの目の前で画面には映ってないキサカと言い争うカガリの姿は、とても笑えた。
「で、どうしたんだ?わざわざ衛星回線まで使って地球からプラントまで連絡をよこすなんて、
別に顔を見たかっただけなんて事ないだろ」
「何かあったの?カガリ」
『何かあったっていうより、何かがあるんだよ。』
「「?」」
『二週間後の日曜日、その日にオーブで花火大会があるんだ。
んで、その日がちょうど戦争が終わって一周年の日だからラクスが記念に
月・地球・プラント・オーブの国々の大使や議員と親善パーティならぬ親善避暑をなさいましょう、って』
「なんだそれは…俺は何も聞いてないぞ!」
『仕方が無いだろう、私だってさっきラクスが来てそれを言ってきたんだから・・・
こっちも大変なんだぞ、準備とか色々』
「ラクス…」
いったい何考えてるんだよ…
仮にもプラント最高評議会議長の承認も何もなしで決めていくなんて…
などと、二人そろって僕達がうなだれるのを見ながらカガリは言葉を続けた。
『あぁ、許可はもう取ってありますのでご心配なさらずに。各国の承認も得ていますわ。
だって、ラクス言ってたぞ。』
「はぁ!?」
「なんで許可が取れるんだっ!?大体プラントに何の連絡もよこさずにそんなのを決めて
各国の了承ないじゃないか、少なくとも俺は出してないぞ!」
『でも、来るんだろ?どっちにしろその二日前に各国首脳会議があるんだから…』
「そうなの?」
「まぁあるけど、けど会場はまだ決めてなかったはずだが?」
『だから、オーブでついでに会議もやりましょうって、言ってた。』
「会議がついでで、花火大会が主役ってどうなの?」
『まぁ、そこは世界平和大使ラクス・クラインの力じゃないか』
「そんな・・・」
『と、いうわけで楽しみにしてるぞ。待ってるからな』
「「・・・」」
と、言うやり取りがあってから花火大会直前の今にいたる。
少々長引いた会議も昨日終わりを告げて何処の国も滞在するホテルで『着付け』をしてるんだろうなぁ
「はぁ〜」
「あら、キラどうしたんですの?ため息なんかついて」
そう、そして今僕の目の前に二人の女性。
二人ともいつものスーツやスカートではなく、浴衣を着ている。
確かに二人とも似合っている、カガリの金色の髪に良く似合う薄い水色の浴衣や
ラクスの桃色の髪と同じ色の桃色の浴衣、似合ってるけど・・・
「なんで、僕まで浴衣を着なきゃいけないんだっ!!!?」
「なんでって言っても、各国の代表者たちも皆浴衣は着るぞ。
オーブの総力をあげて作ったんだからな!別にキラだけって訳じゃないぞ」
「僕が言いたいのはそういう事ではなくて、なんで僕だけ女物なんだって事だよ!!」
僕が見た先にあるのは紺色の浴衣。
紺色の上に白かな?銀色のような気もするけど綺麗な天の川が
右肩の方から斜めに流れるようにちりばめられている。
そして、その上に掛ける丈の長い透けている紅い肩掛けがあった。
「絶対キラに似合うと思いまして、私がデザインいたしましたのよ。」
「それに、キラってば戦争が終わってから髪伸びたし絶対綺麗だって!」
にっこりとそれはもう平和大使にぴったりな可愛い笑顔が今は凄く怖い。
おまけに実の姉であるカガリも両手に化粧道具やら何やら持っていて・・・
二人がそろうともうすっごく怖い。なんか背後に背負ってるようにも見える
「ラクス、両手はもう縛り終わったぞ」
「あら、有難うございます。それではキラ、観念していただきます。」
「い、いやだぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」
キラの絶叫がオーブ大使館の一室から響いた。
その頃アスランは・・・・・
「それにしても、イザークたちも呼ばれていたなんてな」
キラ達の居る部屋とはワンフロア下の階の別室で用意された浴衣を
イザーク、ディアッカの二人と一緒にオーブから派遣された着付け士の人々に着させて貰っていた。
「当然だろう。俺はプラント防衛軍の代表だぞ。」
「そうそう、んで俺はそのサポーター。」
「元々、この親善避暑とやらは各国の大使や議員の代表者で行われるんだろ?
来て当然だ。」
イザークが胸をはりながら自分の地位をバッチで示した。
相変わらず権力やプライドはエベレストのように高いらしい。
そんな元同僚に呆れながらこの部屋に案内された時からの疑問を二人にした。
「此処には居ないんだが、他にもプラントからの代表者は来てるのか?」
「あぁ、平和大使のラクス嬢は今回の主催者の一人だから当然として、
最高評議会からもお前の他にあと3人来てるそうだぜ。」
「そうか…」
「そうかって何で貴様はそれ位の事も知らないんだ。仮にも議長だろうが」
「それが、今回の親善メンバーは俺が決めたんじゃなくてラクスが決めたから」
「「はぁ?」」
見事にイザークとディアッカの声がハモった。
それもそのはず、一般的にこういう集まりのメンバーは議長など位の一番高いものが決めるものだ。
それを何故、平和大使のラクス嬢が決めるのか。
「それが、今回の急な決定で動ける人員が少なくてな、俺も本来なら今日やるべき仕事を
一週間前に終わらせたりと忙しくて・・・」
「だからラクス嬢に頼んだ、と・・・?」
「いや、頼んだ訳じゃなくてあっちがやると言い張ったんだ」
「それで?」
「今になってなんで急にメンバーなんか気にすんだ?別にやってくれたんなら良いじゃん。
ぜんっぜん優しいじゃん」
さすが元婚約者、とディアッカが褒めているとアスランはダンッと傍にあった机を叩いた。
その音に着付けが終了して出て行こうとした着付け士等が驚かせた。
「良いわけあるか!あのラクスだぞ?どんなメンバーを呼んでいることか・・・
もう絶対俺の不利になるメンバーばかり、むしろキラと俺をひき裂くために選んだりしてるといっても過言じゃない!!」
「「・・・・」」
――――こいつ、絶対ばかだ・・・
イザークとディアッカは、同じことを考えた。
目の前でせっかく綺麗に着付けてもらった浴衣が乱れるのに頭を抱えて暴れまくる
元同僚を見てそう思わない方がおかしい。
本当にこれが元ザフトのエリートの証の紅服を着ていて、この戦争を終結させた英雄アスラン・ザラなのだろうか
「あぁ〜、なんで俺もあっちについて行かなかったんだ?ラクスやカガリなんて・・・確かにあの二人が組んできたら…」
しかも何やら一人で暗いオーラを背負いながらぶつぶつ言っている。
これから親善避暑を行うというのに肝心の議長がこれでは・・・
イザークとディアッカがどうしたものかと悩んでいるとドアの方からノックが聞こえた。
「失礼いたしますわ。」
入って来たのは今回の主催者であるラクス・クラインだった。
「これは、ラクス嬢。この度はこのような素晴らしい親善避暑にお招きいただき有難うございます。」
「イザーク様、恐れ入ります。皆様に少しでも楽しんでいただけたら幸いですわ。」
「それにしても素晴らしい浴衣ですね。ラクス嬢に良く似合っていらっしゃいます。」
「まぁ、ディアッカ様ったら・・・。
ところで、アスランは何をしておいでですの?」
今まで、二人とにこやかに挨拶をしていたラクスは後ろでウザイ空気を出している元婚約者に声を掛けた。
「何暗いオーラを出しているんですか。これから皆様と楽しもうというのに貴方一人のせいで
空気が乱れますわ。そんなところでいじけてないで、そろそろ時間になりますから皆さんで海岸へ行きますわよ。」
「・・・」
ラクスの少し棘のある言い方にも何も返事をしないアスラン。
このままだんまりを決め込み行かないつもりだ。
しかし、そんなのこの歌姫にはお見通し、ラクスにはとっておきの切り札があった。
「別に行かないのでしたら構いませんが、・・・・・キラの浴衣姿を他の男性にお見せしてもよろしいのでしたら
私は何も言いませんけど・・・。」
「っキラも浴衣なんですか!!?」
その言葉にアスランは紅服隊の現役時代にも見せた事の無いような速さで反応した。
アスランの反応にラクスの顔がにやりと歪んだ。
その微笑みはとても平和の歌姫の笑みとは思えない黒い笑顔だった。
「えぇ、しかもキラの浴衣は特別に私がデザインをさせて頂きました。
キラも戦争が終わってから髪が少しお伸びになりましたし、それに似合うように私も頑張りましたのよ。
きっと他の方々の注目を浴びますでしょうね。ですが、少々手違いがございまして・・・」
「・・・・手違いとは?」
「何かあったのですか?」
今まで二人の会話を聞いていただけだったイザーク達が聞いてきた。
ラクスは『困りましたわぁ』と言う感じに頬に手のひらを当てながら首を曲げた。
「それが、先ほどカガリさんと二人でキラの着付けをしていたところ、
あまりにも浴衣がキラに似合っていて私たちもついつい興奮してしまって化粧をキラにしたんです。
そしたら・・・」
「そしたら・・・?」
「すっごく、美しくなってしまったんですの。もう男性とは思えないくらい美しくって
あれは、放っておけば襲われても仕方ないくらいでして・・・アスランにボディーガードをしてもらおうと
思ったんですが仕方がありませんわね。」
「・・・」
「アスランが行きたくないのでしたら、私がお守りするしかないのですけど。
私の様な女性が一人いただけではお守りする事は難しいでしわね。」
「・・・・・・」
「しかも、今回プラントから派遣された大使20人のうち15人は男性ですもの。
私も良く考えて選べばよかったですわ。」
「・・・・・・・・・っ」
「それに、代表者はプラントからだけではないのですから・・・」
「〜〜っわかりましたよ!行けばいいんでしょう、行けば!!!」
「はい、それではアスランも納得してくださったようなのでいきましょう。」
にこりと、話術で勝ったラクスは微笑みながら扉からでていった。
アスランは悔しそうにする反面キラの浴衣姿を楽しみにしながら、部屋から出て行った。
それから五分ほどして海岸についた4人。
海岸には大使達用の日本風の城の様な建物があった。
しかし縁側に座っている者や庭で立ち話をしている者たちの中にはキラの姿は無かった。
「ラクス、キラは何処にいるんですか?」
思わず、隣にいるラクスに問い掛けたアスラン。
「まだ出て来てはいないようですわ。」
「まだ?」
「はい、カガリさんに付いて頂いているんですが、
カガリさんは花火の支度があるので花火が上がる前くらいにキラと二人で出てくるんでしょう」
「そうですか・・・」
「アスラン、そんなに気を落とさなくても、もうすぐですわ」
「えっ?」
何故分かるんだと、言いたげな眼差しをラクスに送ればラクスはふふっと笑って、
建物の中央扉を指差す。
「今、あそこの障子に人影が映りましたわ。あそこは電気などのスイッチがありまして
カガリさんはそれを切ってから来ると言っていたんです。」
言われてみれば、確かに二人分の影が動いているのが分かる。
「あれか・・・・」
「はい。…あっ!電気が消えましたわ。
キラ達が来られますわ!」
電気が消えて、暗い闇に空気が包まれた。
自分たちを照らすのは月光と所々に足元を照らす程度に残された小さな蛍光灯だけ。
暫くして奥の中央扉の障子が開いた。
みんなの注目が現れた人物たちに注がれる。
一人はカガリ、そしてもう一人・・・・
現れたのは誰だ・・・?
いや、本当は分かっている。
しかし、それは普段自分のそばにいる人と違う感じがした。
少し濃い夜闇のような紺色の浴衣に、銀色の小さい粒子が右肩から左斜め下残しに向けて流れている。
天の川のイメージ・・・
腰に巻かれた帯はとても薄く花びらのようなフワフワとした感じ
そして、その紺色の浴衣の模様がちゃんと見える位に透けた、紅く薄い丈の長い上掛け。
その上掛けにも銀の粒子が散りばめられている。
くるぶし位の地に付きそうな上掛けを綺麗に操りながら出てきた。
まるで、それすらも彼の身体の一部のようだ。
一年前は自分より短かった髪は既に肩より下まで伸びていて綺麗なストレート。
少し化粧の施された顔は彼の綺麗な紫玉の瞳をより美しく見せた。
―――――その存在こそが高貴な天女のようだった。
人々の目は、かれにしか向いていない。
「・・・キラ」
「どうです?美しいでしょう・・・
まるで天女のようでいてその足はしっかりと大地を踏みしめています。」
「・・・・・」
「ほら、こちらに来られましたよ。エスコートしてあげたら?」
ラクスに言われてやっと目の前にいるキラに気が付いた。
そっと、手を差し伸べた。
「アスラン・・・僕、なんか変??」
「いや、その・・・」
まだ頭が働かない。
その綺麗な存在をずっと見つめていたい。
何も言わないアスランにキラは何を思ったか、繋いでいた手を放した。
「キラ?」
「えっと、・・・ハハッゴメンね?変だよね。やっぱり似合わないんだよね。
僕着替えてくるよ。」
そう言って振り返ると放していたはずの手が再びつかまれた。
「あ、アス・・・ラン?」
「や、べ、別に着替えなくてもいいよ・・・・・凄く似合ってる。
ごめん。あんまりにもキラが綺麗で見惚れてた。」
「ばっ、バカッ!!なに恥かしい事言ってんの!!」
「だって、本当だし。」
「〜〜〜っ」
やっと、いつもの自分の調子に戻ったアスランは次々とキラを言い負かす。
周りから見ればとてもお似合いの二人の傍に二人の女性が近づいていく。
「キラ、よくお似合いですわ」
「本当だ。・・・すっごく色っぽいぞ!ニヤリ・・・」
「ラクス!?もう、カガリまで!!何なのこの演出は!」
「モチロン、キラの美しさをアピールする為ですわ。」
「いらないよ、そんなの!!」
「ククククッ・・・」
アスランはカガリやラクスにからかわれて真っ赤になっているキラを見て笑いが抑えられない様子。
「アスランッ!笑ってないで助けてよぉ・・・」
「ハハハ・・・わかった、わかった。ラクスそろそろ止めてやったらどうだ。
二人ともこれから開催の挨拶だろう?」
「あ、そうだった。ラクス!!」
「忘れてましたわ!それをしなければ花火も上がりませんのに!!!」
「じゃぁ、そういうわけで邪魔者は退散するよ!」
「えぇ、でもアスラン。節度はわきまえて下さいね!」
言いながら二人は慌てて中央ステージまで行ってしまった。
「はぁ、助かった・・・」
「大変だったな」
「本当だよ・・・僕、アスランと同じ様な浴衣だと思ったのに」
「でも、本当に良く似合ってる。」
そう言って、アスランはキラの耳元に顔を近づけた。
「綺麗すぎて早く脱がしてみたい気分だ・・・」
「っ・・・・・な?!」
艶の含んだ低めの声で呟かれたキラは顔を真っ赤にさせた。
「アスランのバカ!何言ってるんだよこんな所で」
「くくくく・・・」
「あぁ〜、もう笑うなよ。ほら打ち上げみたいだから向こうに行こうよ!」
「あれ、キラからお誘い?」
「〜〜〜〜〜もう知らない!」
キラは恥かしさと怒りでアスランに背を向けて海岸のほうに行ってしまった。
アスランははぐれない様に後ろから追いかけた。
海岸に着くと丁度花火が上がりだした。
歓声を上げながら周りの人々は花火に見入っている。
アスランは花火を見入っているキラの手をそっと掴んだ。
「何?アスラ・・・」
何なんだと振り向いたキラの言葉は途中で突然のキスに飲み込まれた。
「んぅ、はぁ・・・」
「・・・・キラ」
「君、周りに人がいるってわかってんの?」
「大丈夫、皆花火に夢中で気付いていないよ」
「そういう問題じゃない!」
「・・・キラが何処か遠くへ行きそうに見えたから」
「えっ?」
キラが出てきたとき確かに見惚れていた自分。
とても優美なその姿に触れてはいけないような錯覚が起きた。
触れてしまえば、その途端に彼は天に昇っていきそうで・・・・
「アスラン・・・」
ふいにキラの手がアスランの頬に触れた。
そうっと優しく撫でるように頬に触れている。
「大丈夫、僕は何処にも行かないよ。」
「キラ・・・」
「だからね、ずっと一緒にいようね。
来年もまた一緒に花火、見よう?」
優しく微笑みながら綺麗な瞳を自分に向けてくるキラ。
その存在と、その言葉が何よりも嬉しかった。
「あぁ、放してって言っても放してやらないよ。」
炎の華が空に描かれた明るいような暗い闇の中で、
二つの影が重なった。
――――――――END―――――――――
あとがき
はい、夜凪 翔です。
サイト公開記念初書き小説がこんなんですみません!!(土下座)
唯、唯、キラの浴衣姿が見たかっただけなんです。自己満足だったんです!
文才無いのに無理して書くからこんな事に・・・(泣)
誰か私に文才ください。(切実)
とりあえず、無駄に浮かんでくるネタを読んでくださる皆さんが
飽きないように、自分が満足できるようにこれからも書いていきたいと思います。
これからもよろしくお願いします。