知ってる?

俺は昔から紅茶はよく飲むけどコーヒーは飲めない。
けど、彼はコーヒーが好きで紅茶もたまには飲むけどやっぱりコーヒーを飲む事が多い。


知ってる?

俺は酒を飲むとすぐに酔うけど彼はすごく酒に強い。


ねぇ、知ってる?

知ってる?


あ、また見つけた。




が見つけた彼=



あの戦いから3年ほど経って俺たちは2人で帰ってくることができた。
俺は死ぬと思っていたし先に死んだ筈のアッシュも一緒に生き返ることができてスっゴイ幸せ。

そんで今は二人揃ってファブレ家子爵としての仕事をしたり、一緒に剣術の練習したり結構充実した毎日を送っている。
俺の部屋も増築されて今ではアッシュとの2人部屋だ。
母上あたりは「中の良い兄弟よね」と喜んでいた。

母上に喜んでもらうのは嬉しいけどゴメンナサイ・・・兄弟の仲を俺たち突破しちゃってます、
などとは口が裂けてもいえない。





今日の俺たちは久々の休日。
アッシュは部屋で読書をしていて、俺はそんなアッシュが見える裏庭にある大木の下でのんびり。
本当は一緒の部屋でアッシュと雑談したかったけど探していた本が手に入ったとか言っていたので
邪魔になりたくないから外でアッシュの観察中。
アッシュは俺がここにいるって気付いてるのかな?


黒いソファに身を沈ませてその長い足を組んで読書をしている姿はとても綺麗。
綺麗なそれでも男性特有の骨ばった手は本をめくるたびに優雅に動く。
あの長い指の御蔭なんだろうけどアイツ実は凄い器用なんだよな。
今は下ろしている長い髪も俺の髪とは違ってストレート。
比べて俺は癖のある髪。
お前本当に俺の被験者か?
なんて考えちゃう事もしばしば。


あれ?アッシュって顔から本を離して読むタイプなんだ。
俺とは逆だな、俺は集中すると顔に近づけてしまうタイプだもん。




俺はいつもこうやって自分とアッシュの違うところを見つける。
俺たちはちゃんと自分があるから。
オリジナルとかレプリカとかじゃなくて個人なんだ。
だから、違うところを見つけようとする。
それを見つけて、もしそれが自分しか知らないアッシュだったら俺は凄い発見をしたなっていつも喜んでいる。
前にアッシュにそのことを話したら

「・・・ストーカーかっ?てめぇはくだらねぇ事言ってる暇があったら少しは書類を進めろ!」て怒鳴られた。
確かにあの時は仕事中でしかも俺の苦手な書類整理。
飽きたなぁ・・・って思ってはいたけどアノ言い方は酷くねぇ?
けどまぁアレがアッシュの照れ隠しなんだとわかってるから実際はそんなにショックじゃない。
アッシュの顔なんか赤くなってたから絶対照れ隠しって断言できる。
俺ってアッシュの感情変化を見極めるの結構上手くなったよな。


「ふぁ・・ぁあ。」

大あくび・・・うん、なんだか眠くなってきたな。
アッシュはまだ本を読み終わりそうに無いし気持ちいい陽気の中は睡眠を誘う。
ちょっとだけ、寝ようかな・・・
本をめくる規則的なテンポと髪をさらう心地よい風に暖かな陽射しの中に身を任せた。








久しぶりの休日で、読みたかった本を読み尽くし気が付けば既に空が夕焼け色に染まっていた。
本に没頭していた俺だがルークがずっと俺の事を見ていたのは知っていたし、止めさせようとは思わなかった。
途中で本の内容に集中して気付かなかったが何時の間にやらその視線は無くなっていた。

俺はずっと開け放していた窓を閉めようとして外を見ると重いため息をついた。
いや、つきたくもなる・・・。

「何でこいつは庭で寝てやがるんだ・・・」

俺の目についいたのは背を庭の大木に預けそのまま寝てしまっていたルークだった。
ほおっておこうとも思ったが、このまま外で寝れば風邪を引くのは確実で
風邪を引いた後のアイツの申し訳なさそうな面を見ながら同室で過ごすのは御免被りたい。

俺は窓からあいつの寝ている庭まででた。
大木に近づくたびにアイツの呼吸が聞こえやすくなる。

「おい、起きろ。」

俺が近づいて声を掛けても訳の解からん呻き声をあげながら睡眠を貪っている。
まぁコイツがこの程度で起きる事はまず無いと、同室になってから知ったので余り怒る気にはなら無い。


サラ・・・

風が吹き、ルークの髪が弄ばれる。
俺はなんとなくその髪に触れた。
長くなった髪は俺のソレとは違い温かい色で少々くせっ毛だが柔らかい。
こいつはいつも俺の髪が綺麗だと言い張るが俺にはこいつの髪の方が安心できて良い。

手にとり、梳くように上から触れたり指にからませたり、何時までたっても俺は飽きる事無くこいつの髪に触れていた。
こうして2人で穏やかな時間を過ごす日が来るなんて思ってもなかった。
いつも俺の中にはこいつに対する憎しみや復讐心が渦巻いていた。
自分のレプリカの癖に甘い思考回路の上にすぐに卑屈となるのにイライラしたし、
また当たり前のようにすぐに自らの死を選ぶ。
正直言って殺してやろうと思ったこともあった。

それが何時からだろう・・・こいつの存在が俺の心を落ち着かせ、
こいつの笑顔が愛しいと何よりも大切だと感じたのは。
何時かわからない。
気が付けばいつもこいつのフォローに廻っていたし、ホドではこいつの代わりに死んでも良いとさえ思えた。
それくらいこいつが大事だった。
死んだ後も後悔なんてなかった、生き返っても共に生きてるからこそ俺は納得できたのかもしれない。
もしこれでビッグバンによりこいつが死んで俺だけが生きていたら俺は狂っていたかもしれない。
だから、2人で生きていく今が大切に思える。

そういや、前に仕事中だというのに話し掛けてきたこのバカは突拍子も無い事を言ってきた。


「アッシュてさやっぱり俺と違うよな。」
「当たり前だろうが何言ってんだバカ。」
「バカっていうなよな。・・・あのさ、俺な結構俺たちの違いを見つけたんだ。」
「・・・・」
「お前は酒弱くないし、俺は辛いもんより甘いもんのが好き。けどアッシュは逆だろ?」
「・・・・酒は精神年齢の違いじゃないか?」
「おい、結構失礼だソレ。んまぁいいや、でさっきの続き他にもな・・・・」

あの時はアイツの『俺たちの違い発見!』が延々と続き恥かしくなっていて耐え切れなかった俺は
最後には怒鳴ってしまったがそれでもその違いが大切な事だってことは俺にも解かる。
ただアイツが恥かしげも無く延々語るのが俺の気に障ったが。






「う、ん・・・・・あっしゅ?」
「起きたか」
「あれ?!何時の間にか夕方じゃん。」
「お前が寝すぎなんだよ。大体外で寝るんじゃねぇよ。
 風邪でもひかれたら俺が面倒だろうが」
「ぅ・・・わかってるよ」

俺が付いていた片膝を伸ばし立ち上がるとルークも追いかけるようにして立ち上がる。
そうするとルークの頭が俺の目下にある。
同位体のはずなのにローレライ開放から帰ってきた俺たちの間にある身長差。
それにより俺の視界は少し下げれば大切な朱色に染まる。
こいつが話し掛けようとして見上げれば俺より淡い色合いの碧の眼。
俺の目に映る光景の中心はいつもこの朱と碧。




お前の目に映る光景はどうだ?
俺と違うか?
映っているのが俺の色だと良いと思ってしまう俺は壊れているのか。

もし壊れていたとしても映る光景が俺なら


それほど愛しい違いは無いだろう・・・・?








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というわけで、初書きアシュルク小説。
いったい趣旨は何だったのか非常にわからないです。書いた本人途中からノリで書いてました。(爆死)
とにかくアッシュがルークにベタ惚れだということが書きたかったんです。
ゲーム本編じゃぁアシュルクに見えるのにアッシュがツンデレなせいで少々物足りなかったので
こんな感じにしてみました。ツンデレ大王だねアッシュ!!!グb(>▽<)
次こそはもうちょっと趣旨のわかるものを書きたいです。
だれか私に文才プリーズ!!!(切実)

・・・・・・てか次に書くのはシリアス長編だったはず、終わらせる事ができるのか?!(滝汗)
がんばれ私!